インターネットは非常に便利な通信手段ですが、ハッカーがサーバーや端末に不正にアクセスして情報を入手したり、システムを破壊するといった犯罪に用いられるケースもあります。特定の国家が軍にハッカー組織を作り、他国の企業や政府機関の情報を盗み出すこともあるほどです。
サーバーや端末をハッカーから守るためのひとつの方法は、ホワイトハッカー(正義のハッカー)にセキュリティの脆弱性を見つけてもらって対応することです。企業や政府関係の情報を守るために、ホワイトハッカーが見えない場所で活躍しています。ここでは、ホワイトハッカーの役割や必要なスキル、需要を徹底解説します。
ホワイトハッカーは、企業のセキュリティ対策のために雇われている人が少なくありません。民間企業だけでなく、政府機関などでもハッカーの持つ技術が求められることもあります。サイバー犯罪の取締りのために、警察に協力して犯罪捜査に参加しているハッカーもいます。最近は世界中で仮想通貨の盗難事件が発生していますが、犯行手口の解明や犯人探しのためにホワイトハッカーが活動しています。
ホワイトハッカーになるために必要なスキルですが、基本的に技術的な面では“悪意ある”ハッカーと同じです。ハッカーの多くはプログラミングの技術はハードウェアについての知識を習得しており、OSを記述することができるほどの技量を持っています。プログラミング言語やハードウェアについての情報はメーカーが公表していますが、英語のマニュアルで提供されています。このため、高いハッキングの技術を習得するためにはある程度の英語力も必要です。
ハッカーやホワイトハッカーになるために大学で情報工学などを学ぶ人もいますが、情報系学部に進学しなくてもホワイトハッカーになることができます。ハッカーの中には情報系以外の学部を卒業した人も少なくなく、独学で学んだ人もたくさんいるからです。
コンピューターのセキュリティ技術は守る側と攻撃する側でいたちごっこのような状態が続いており、常に新たな脆弱性とハッキング方法が発見されています。ハッカーはハードウェアやソフトウェアに関する高い技術や知識を持っていますが、技量を保つためには常に新しい技術を習得し続けることが求められます。ホワイトハッカーは最新の情報を収集する目的で、ダークウェブ上に存在する悪意あるハッカーのコミュニティに匿名で参加して情報交換を行うこともあるようです。
ホワイトハッカーは技術的な面だけではなく、倫理面でも高いモラルや責任感が求められます。その気になれば、簡単に自分の技術を悪用して犯罪を行うことができてしまうからです。